扉の先に。

カンボジア・アンコールワット(2019/3/3)

玄関に腰掛けて、お気に入りのブーツに足を通す。少し手入れを怠っていた革の表皮は、ところどころ毛羽立っている。いままで、ことさら気にもとめなかった傷が、このブーツと過ごした十数年の歳月を蘇らせる。

つま先の傷は、きっとあの時の擦り痕だろうな・・・。

いつもよりも少し丁寧にブーツの紐を締め上げて結ぶと立ちあがり、振り向きざまに家族に声をかける。

「じゃあ、行ってくるよ。」

リビングから流れるTVの音声にかぶさるように、『いってらっしゃい。』と返ってくる。
そして僕は、玄関の扉に手をかけて、ゆっくりとドアを押し開く・・・。


『どこでもドア』っていう秘密道具を夢見た子供の頃。それこそ、願えばどこにでも連れて行ってくれる夢のような道具だ。いつか、こんな道具が実現する未来が待っていると思っていたけど、残念なことに2019年現在、そんなすごい道具はまだ発明されていない。

でも、実は僕は知っているんだよね。

青い狸みたいなへんてこなロボットに頼らなくても、僕がその気になりさえすれば、そして心から強く願い続ければ、玄関の扉を開けたその先には、想い焦がれた夢の場所や風景へと、道が続いているってことを。

強い意思と想いを胸に抱いて、いつもの玄関を開けるその瞬間、その扉こそが僕たちの『どこでもドア』だって事なんだよね。


・・・( ̄ー ̄)ニヤリ


そして、不埒な僕は考える。

この我が家の『どこでもドア』を使って、次はどんな絶景を眺めに行こうかな~・・・なんてね♪


☆☆☆




まもなく2019年も終わる。振り返ると、今年もたくさん旅をしたよな~。

春にはカンボジアのアンコールワットを訪れ、その足でベトナムも再訪した。GWには6日間を費やして東北をオートバイで駆け抜け、初夏には西表島をカヤックでめぐり、夏にはモンゴルの未開の大地を一週間にわたり駆け抜けた。

そんなビッグトリップを縫うようにして、小さな週末の旅は、それこそ日常のごとくくりかえしながら、各地を駆け回った。

あたりまえだけどそれらの旅はすべて、僕の心が強く願い、玄関に腰をかけて靴紐を結び、「じゃあ、行ってくるよ。」と声をかけて、玄関の扉を開くところから始まるわけで。

来年も、僕の『どこでもドア』には期待する所【大】であります・・・(*´∀`)


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