セルフフォトグラフ。
最近山旅を始めたばかりの僕は、季節ごとに移ろいゆく木々や花々の美しさや、視界一杯に広がる迫力ある山並み全てが新鮮で、なんとかその一期一会の風景を切り取りたいと、ことあるごとにシャッターを押しまくる。
時には登山道の脇に可憐に咲く花だったり、隆々と仰ぎ見るほどに伸びた巨木だったり、紺碧の空に一筋たなびく雲だったり、どこまでも続いてゆく稜線に刻まれた一本道だったり。
そんな山旅の瞬間を切り取った写真は、それはそれで素敵な旅の一コマとして記憶に残るんだけど、どうしても無機質に感じてしまうのは僕だけだろうか。その風景の片隅に、小さくてもいいから人が写っていてほしいと、つい思ってしまう。
そして、その写っている人が、もし自分だったなら…と考えちゃうのは、やっぱり僕が変人だからなんだろうか?(笑)
「撮りましょうか?」
旅の途上、この言葉は頻繁にやりとりされる。その都度僕は、
「あ、大丈夫ですよ〜」
っと笑顔で返しながら、おもむろに小さい三脚にスマホをセットして地面に置くと、AppleWatchのカメラアプリを立ち上げる。
不思議そうにこちらを見ている周囲の人々を尻目にスマホから距離をおき、あたかも
『写真なんてとってないですからぁ〜、僕は遠くの山々をただ眺めているだけですからぁ〜』
…的な雰囲気を醸し出しつつ、手元のAppleWatchのシャッターボタンを押す。すると3秒のタイマーの後、
カシャカシャカシャシャシャシャ〜〜〜!!!
っと結構な音量で連続するシャッター音があたりにこだますと、周囲の人たちがギョっとしてこちらを凝視する。その視線に屈する事なく、数度同じ連続音を繰り返し、そそくさとスマホを回収して何食わぬ顔でその場を後にする。
・・・あれ?
こうして文章にすると、結構な変態具合な気がするのは気のせいかな?(汗)
もし山頂でどこからかシャッターの連続音が聞こえてきたならば、それは僕かもしれません。決して怪しい者ではありませんので、物を投げつけたりはしないでください…ゴメンナサイ。
m(_ _)m
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