今立っている場所。

タイ アユタヤ遺跡群 ワット・マハータート


「人間五十年、夢まぼろしのごとくなり。」


今更説明する必要もない、織田信長が出陣の折に、舞ったという幸若舞の謡曲の一節。


「一度生を得て、滅せぬ者のあるべしや、螺ふけ、具足をよこせ」と続く。



『織田信長』 (著者:山岡荘八)を読んで、この一節に出会い二十余年。遥か先に思えた50才が、気がつけばあと数年に迫っている事に、戸惑う。


旅を生涯のライフワークとし、可能な限り各地を漂いたいと思っている僕であるが、過ぎゆく年月には抗えない。


まだまだ若いつもりではあるが、年を追うごとに加速してゆくかのような日々の中で、時折今立っている場所を確認する事も必要だと思う。

地図を目の前にして、現在地を把握できなければ意味をなさない事と同じだろう。


現代における平均寿命は80年。 あまりにも長すぎるスパンは、立ち位置をあやふやにしてしまう。 なので、人生を1日に凝縮してみる。



24時間 × ( 44才 ÷ 80年 )


僕の人生の現在時刻・・・


『 午後13:12 』


まだまだ行ける。 しかし、夕刻は確実に近づいてくる。


少しでも明るいうちに、今しか出来ない旅に出なくては・・・と、思う。

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