NZL旅<DAY2>
iPhoneにセットした目覚ましが鳴る。眠い目をこすりながら、ベッドを抜け出しカーテンを引くと、まだ明けきらない空に、朝焼けの雲が輝いている。
最高の一日を予感させる、ゴキゲンな朝だ。
天気予報は週が進むに従って、確実に下り坂を示している。でも、僕のテンションは日々尻上がりに上がってきている。
『よっしゃ! 今日も走るぜ~!!』
気合を入れてパッキングを済ませる。寝ぼけ眼のけんちゃんも起き出し、そそくさと準備を始める。 なんたって、今日からのルートは数々の美しい湖を抱く、山岳ルートになる。どこまでもつづく一本道にかわって、雪が被る神々しい山々に向かって走るワインディングだ。
退屈な平野よりも、クネクネ道を好むのは、オートバイ乗りの性だろう。
クライストチャーチから、ここジェラルディーンまで南下してきた行程も、ここからは一路西へ向かい、昨日たどり着けなかったテカポ湖をめざす。テカポ湖までは約80km。あっという間にたどり着くはずだ。
R79からフェアリーという小さな町を抜けR8へ。緑の絨毯を敷き詰めたような牧草地帯から、徐々に荒涼とした荒野へと変化していく様は、決して日本では見ることが出来ない光景だと思う。
間もなくテカポ湖というところで、ゲートの開いたダート道を見つけ、つい勢いで突っ込んでみたら、眼前には冠雪したマウント・ドプソンが屏風の様に広がる絶景が。
今までいろんなところで【絶景】という言葉を使ってはきたけれど、こういう光景を目の当たりにすると、軽々しく絶景などとは言えなくなってしまう。僕の絶景レベルがどーんと上がった瞬間だった。
そして、これぞ絶景と言える風景が、それこそいたるところに点在するのが、このニュージーランドという国であり、世界の旅人が憧れてやまない所以だろう。
そんな土地を、オートバイで旅ができる幸せは、筆舌に尽くしがたい。
呆然とする僕達を、どこまでも圧倒する大自然の景観。たまんないよね♪
っと、悦に浸っていたら、前から砂利を満載にした巨大なトレーラートラックが粉塵を巻き上げながら突進してきてあわてて逃げた(;´∀`)
その後、テカポ湖に辿り着いた僕達は、これまた目を奪われる荘厳な山々に囲まれた鏡のような湖面に息を飲む。っていうか、ずっと息を飲みっぱなしで、ゲップが止まらない。
ベンチにすわってぼけ~っとテカポ湖を眺めるけんちゃんを激写しつつ昼食を済ませると、氷河の溶け込む白乳色の湖水をたたえるプカキ湖を経由して、ワナカ湖へと続く超絶絶景ロードを、まさに天にも昇る気分で疾走するのだった・・・。
っていうか、もうどこを見渡しても全てが絶景なだけに、僕の拙い語彙では表現に限界を感じ始めた。だれか、絶景を超える【超絶景】とか、【激絶景】とか、【スーパースペシャル絶景】とかに値する言葉を教えてください・・・オネガイシマス m(_ _)m
僕の中で、この日走ったルートが、ダントツのオススメツーリングルートかもしれない。 とはいえ、どこも僅差の【絶景】ルートなんだけどね♪
インカムからは、例の「チュッチュチュッチュ~♪」が少しハイテンション気味に不気味にこだまし、けんちゃんも気分良く走っているようだ・・・。
『つ~か、その チュッチュチュ~♪ はやめれ!!!』
悶絶ルートを満喫した僕たちは、太陽に照らされて神々しく輝くワナカ湖を本日のステイ地と決め、拙い英語を駆使してモーテルを確保すると、観光客で賑わう街へと繰り出した。
このモーテル確保に際し、まさかこの様な屈辱的な会話を交わさなければならないとは・・・。
「We are not gays !! 」(俺たちはゲイじゃないぜ!!)
どうぞ、お察し下さい・・・(泣)
気を取り直して、雰囲気の良いカフェレストランで、小洒落たディナータイムを楽しみたいところだが、目の前にどかっと座った相棒のけんちゃんがムシャムシャとお洒落とは対極となる野性的な食いっぷりをするわけで・・・(;´Д`)
そして、僕はといえば、やっぱり激しい空腹にワインを流し込んだ為に、ベロンベロンに酔っ払ってしまう体たらく。
この2人には、どうあがいても小洒落た旅は無理なんだと確信して、2日目の夜が更けていった。
***
っていうか、結構な量の文章を、昨日から今日にかけての出張の移動時間や、滞在先のホテルで書き溜めたつもりだったけど、実はまだ2日目が終わったところだということに、今、白目を向いて卒倒しています。
長い旅日記になりますが、優しい気持ちで見守っていただければ幸いです・・・m(_ _)m
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