NZL旅<DAY3>
3日目の朝。
朝日に美しく輝くワナカ湖を後にして、南島きっての景勝観光地のクイーンズタウンへ向けて走り出す。
このクイーンズタウンは、その町自体の美しさもさることながら、世界遺産である氷河が削り上げた見事なフィヨルドをもつミルフォード・サウンド観光のヘッドタウンとしても人気で、この街発の観光ツアーがたくさんある。
しかし、なんとかもっていた天気も、予報では、ここにきてもはや午後からの雨は避けられない模様で、我々もクイーンズタウンで今後の進路について決めなければならない。
とはいえ、走り始めた僕達の頭上には、薄い雲がたなびいているとはいえ、まだまだ天気が崩れる兆候はまるでない、最高の青空が広がっている。
『持ってるね~♪』
と気分を良くしながら、適度に緩やかなカーブを繰り返す絶好のワインディングを駆け抜ける。
途中、Mt.カードローナの山腹に作られたスキー場へと続くダートロードを見つけた僕たちは、急勾配の砂利道にビビりながらも、ソロソロと慎重なアクセルワークを心がけながら侵入する。 時折、砂塵を豪快に巻き上げながら迫ってくる車をビビりながらパスし、ゆっくりと高度をあげていく。
轍を踏まぬように、路肩から落ちないようにと、路面を凝視しながら走っている僕のインカムに、けんちゃんの
「うおぉ~~!!! すげぇ~~~!!!!」
の絶叫が荒い息遣いと共に響く。恐る恐るオートバイを路肩に停めて、ふと周囲を見渡して驚いた。
「なんだこれ?! なんだこの光景?! す、すげぇ~なぁ~!!!」
表現力に乏しいけど、何とかこの驚きを伝えたいと思った時、人は【出川哲朗】的な言葉しか出てこないのだ。
おっさん2人で気持ちが悪いと我ながら思うんだけど、二人顔を見合わせてニヤけるしかない。
幸せの絶頂を感じながら、ここぞとばかりに初めて経験する360°の大パノラマの絶景ダートを行ったり来たりしながら、さも<オフロードをかっ飛んでるぜ~!!> 的な写真をカメラに収めつづける。
隨分無理を押して今回の旅を計画したけど、来てよかったなって心から思える、そんな最高の経験ができたと思う。
大満足した僕たちは、クイーンズタウンへと続くカードローナ・バレーロードに戻ると、交通量が少ないのをいいことに、それなりのハイペースを維持したまま、峡谷の谷間をぬって走る絶好のワインディングロードをさらに進む。小気味よくターンを繰り返しながら走りを満喫する僕達の目線の先に、うっすらと霞むヘイズ湖が峡谷のスキマから顔を覗かせると、路肩の休憩スペースにオートバイを滑り込ませた。
毎日大好きなオートバイに乗れる幸せ。世界屈指の自然と景観を誇るニュージーランドを、自由に気ままに駆け抜ける喜び。これはまさに、全部入りの旅だ。
ヘイズ湖のほとりのパーキングで小休憩をはさみ、いよいよ我々はクイーンズタウンへと辿り着いた。
目抜き通りに2台のオートバイを停めると、久しぶりに見る人の多さにちょっと戸惑う。なんたって、ここまでの3日間で見た人の数が合計で50人にも満たない程度だ。にもかかわらず、流行っている店には列が出来ていて、その店先だけでも軽く50人はいるわけで、田舎から上京したての大学生のように、キョロキョロしてしまう。
軽くパスタを食べながら、旅の後半のルートについて話し合った。
予定としては、ここからさらに南下して、テ・アナウの町まで走り、そこからミルフォード・サウンドへと続くミルフォードHWYを行くつもりだったけど、ここから数日間は確実に天気は崩れる。
ってことで、南下はこの町で終わりにして、進路を東にとることにした。
こういった自由度が、旅の醍醐味だと思う。往くも自由、とどまるも自由、全てが自分の手の中にある自立した旅。 これからも、ずっとこんな自由な旅を続けていきたいと思う。
ミルフォード・サウンド方面をパスした僕達は、日程に若干の余裕が出来たことも有り、まだ昼過ぎにもかかわらず、本日はこのクイーンズタウンに宿をとった。
部屋に荷物を運び込み、コーヒーを片手に一服。徐々に雲行きが怪しくなる空を見上げながら、日課となっているシャグ(手巻きタバコ用の葉)を巻いていると、窓にポツリと雨粒が当たり始めた。
いよいよ降ってきやがった・・・。
ここに至っては仕方がない。翌日からの雨のライディングに備えて、せめてうまいものでも食べようと、贅沢にシーフード料理に舌鼓を打つ。
霧雨の様な雨がしっとりと舞うクイーンズタウンの夜は、こうして更けていった。
絶景のなかの放◯は格別・・・ゴメンナサイ m(_ _)m |
つづく・・・。
***
<タバコ>
ニュージーランドでは、タバコがとんでもなく高い。20本で一箱2000円近くする。にもかかわらず、持ち込みの免税範囲が50本/人なのだ。なので現地Kiwi達もかなりの確率で手巻きタバコを吸っている。普通のタバコを吸っているのは、殆どが日本人か、中国・韓国系のアジア人だ。
郷に入りては郷に従えとばかりに、僕も日本からお気に入りのシャグを持ち込み、毎日せっせと巻き、シガレットケースに詰める日々を過ごしていた。おかげで、9日間でかかったタバコ代は、タバコの葉30gと、フィルター合わせても1500円でお釣りがくるくらいで済んだ。
<傘をささない人々>
現地Kiwiの人々は、本当に傘をささない。トレンチコートを着るイギリス文化の名残りなのか、アウトドアが生活に溶け込んでいるのかは定かじゃないけど、結構の雨でも傘をささずにレインジャケットで濡れそぼって歩いている。この日を含め3日間、雨模様の日が続いたけど、ホテルの傘をさしている旅行者を除けば、傘をさして歩いている人は10人も見てないんじゃないかな。
ある意味、格好いい♪
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